チオグリコール酸カルシウムとは、たんぱく質を溶かす作用を持つアルカリ性の物質です。
主に除毛クリームやパーマ剤に使用されており、毛のたんぱく質に作用することでウェーブを出したり、毛を切断することができます。
一方で、私たちの肌もたんぱく質でできているので、当然チオグリコール酸カルシウムの影響を受けてしまいます。
この記事では、チオグリコール酸カルシウムについて、効果や副作用など詳しく解説していきます。
この記事の目次
チオグリコール酸カルシウムとは、除毛効果が認められた有効成分の1つ
チオグリコール酸カルシウムは、厚生労働省が認定する「医薬部外品」の指定成分の1つです。
チオグリコール酸カルシウムにはたんぱく質を分解する効果があります。
除毛クリームやパーマ剤は、このチオグリコール酸カルシウムの効果を利用したものです。
除毛クリームの場合は、チオグリコール酸カルシウムによって毛のたんぱく質を溶かして切断しています。
一方、パーマ剤の場合は、チオグリコール酸カルシウムによって毛にダメージを与えることでウェーブを作り出します。
除毛クリーム、パーマ剤どちらにもチオグリコール酸カルシウムが使われているのに効果が異なるのは、pHの違いによるものです。
ちなみに、除毛クリームもパーマ剤も国の規定量に従った量でしかチオグリコール酸カルシウムを含有していないので、一定の安全性が確保されています。
チオグリコール酸カルシウムの効果は「除毛」。永久脱毛できないことに注意
チオグリコール酸カルシウムに認められる効果はあくまで除毛のみ。毛根から毛を抜き去ったり、永久脱毛する効果はありません。
つまり、脱毛クリームとして販売されているクリームや、「まるで永久脱毛」のような謳い文句で販売されている除毛クリームでも、永久脱毛はおろか脱毛すらできません。
あくまで除毛クリーム(脱毛クリーム)の効果は除毛だけです。
そして、除毛クリームの効果を弱めたものが、毛にウェーブをかけるパーマ剤というわけです。
脱毛クリームと除毛クリームは、呼び方が違うだけで全く同じ商品で、どちらも一時的なむだ毛処理である除毛効果しかありません。
チオグリコール酸カルシウムにはどんな副作用がある?
チオグリコール酸カルシウムには、肌のたんぱく質を溶かしてしまうことによる肌荒れや痛みの副作用があります。
しかし、チオグリコール酸カルシウムを含んでいる除毛クリームやパーマ液を塗れば必ず副作用が起こるわけではありません。
チオグリコール酸カルシウムで副作用が起こるのには、ある条件があります。
この条件を満たさないように気を付けてチオグリコール酸カルシウムを使えば限りなく安全です。
では、どんな状況でチオグリコール酸カルシウムを使うと副作用が起こるのかお伝えします。
傷口や虫刺されなど炎症している部位に塗ると痛みを伴う
傷口や虫刺されなど炎症を起こしている部位は、皮膚の内側までチオグリコール酸カルシウムの刺激が届きやすいので、塗ると痛みを感じやすいです。
特に気を付けたいのは、カミソリで処理した後の肌です。
カミソリを使ったあとは目に見えない小さな傷が肌にたくさんついている状態なので、除毛クリームを使うと痛みを感じやすいです。
除毛クリームやパーマ液を使う場合は、使用部位に炎症が起こっていないか必ず確認して、異常があった場合には使用を控えるようにしましょう。
長時間塗ったままにしていると肌が荒れる
チオグリコール酸カルシウムはたんぱく質を溶かすので、長時間塗ったままにしていると肌も溶けてしまいます。
除毛クリームやパーマ液には塗布時間が記載されていますが、これは毛を溶かすために必要な時間という意味だけでなく、肌に副作用が起こらないために守るべき時間という意味合いもあります。
この塗布時間を超えて除毛クリームなどを使うと、肌が溶けて炎症を起こすので気を付けましょう。
せっかくむだ毛を処理できても、肌がボロボロになってしまえば逆効果ですので、塗布時間を超えないことは大切です。
また、塗布時間を超えていなくても、肌に異常を感じたらすぐに使用を中断しましょう。
チオグリコール酸カルシウムを塗った後の肌にアルカリ性の化粧水を使わない
チオグリコール酸カルシウムを使ったあとの肌にアルカリ性の化粧水や乳液などを使うと、ヒリヒリとした痛みを感じることがあります。
これは、除毛クリームを使った直後の肌が表皮の角質細胞が溶けて皮膚が荒れた状態になっており、アルカリ性の刺激を感じやすくなっているためです。
除毛クリームやパーマ液を使ったあとの保湿には、人の肌に近い弱酸性の化粧水や乳液を使用しましょう。
チオグリコール酸カルシウムの副作用を回避するためには、保湿成分の配合量が多い除毛クリームを使うことが大切
チオグリコール酸カルシウムは肌のたんぱく質も溶かしてしまうので、使用方法を誤ると肌荒れや痛みを感じる副作用があります。
除毛クリームは毛を処理するためのアイテムですが、チオグリコール酸カルシウムが含まれているために長時間塗ったままにしていると肌が溶け始め炎症を起こします。
しかし、除毛クリームを使うこと自体は危険ではありません。
肌荒れなどの副作用を防ぐために、除毛クリームには必ず保湿成分を配合して肌への刺激を和らげています。
除毛クリームを使うときに肌荒れが心配な方は、保湿成分の配合量が多い除毛クリームを選べば副作用のリスクを最小限に抑えることができます。

まとめ:チオグリコール酸カルシウムは正しく使えば怖くない
チオグリコール酸カルシウムはたんぱく質を溶かす性質のある成分です。
体毛にウェーブをかけたり、体毛を溶かしたりするパーマ剤や除毛クリームは、この性質を使った商品でした。
ただ、この性質はたんぱく質でできている肌には悪影響として出てしまいます。
除毛クリームを使うと、チオグリコール酸カルシウムが肌のたんぱく質も溶かしてしまうので、肌荒れや炎症が起こることがあります。
除毛クリームを選ぶ際に、保湿成分がたっぷり含まれた物を選ぶことで、そういったリスクを小さくすることができます。
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